
Wilbersサスペンションで驚きの乗り心地とハンドリングに!
Jun Yamada Private Talk
~山田純のプライベートトーク~
Wilbers サスペンションで驚きの乗り心地とハンドリングに!
3月11日の東北関東大震災によって、多くの方が被災され、私の知り合いも無事ではあったものの、少なからぬ被害を被った。いまだに多くの方が困難な中での生活を強いられている。なんとか早く、これまでの生活に近い形に戻られることを願ってやまない。私の2010年式R1200GSは、2月末で3万Kmを超えていたものの、この震災のこともあって、オドメーターの進み方はガクッと落ち、ようやく7月中旬で4万Kmとなった。
この4万Km目前に、以前から気になっていた、サスペンション・システムを装着することにした。それは、ドイツの著名なサスペンションメーカーである、Wilbers(ウィルバース)社の製品で、ユーザーの体重や使い方、要望に合わせたスプリングとショックアブソーバーを作ってくれるという、完全なオーダーメイド。その要望の中には、たとえば車高をもっと下げて足つき性を良くしたい、さらに体重が軽い、重いといった個々のライダーに合わせることができる。よくあるのは、車高を下げるために、スプリングを切ったり、ショックアブソーバーを短くしたりするのだが、そうすると足つき性は良くなるけれど、路面からのショックの吸収性が落ちたり、乗り心地が悪化したりすることが多い。だが、このウィルバースの製品であれば、そのほとんどすべてクリアできてしまう。私は、身長が175cmあるので、車高はそのままで、私の体重や使い方、またちょっとした要望を伝えた。2010年型R1200GSのサスペンションはESAシステムが付いたことで、ほとんどの走行場面に合わせることができ、大きな不満はなかった。ただ、私の体重とBMWの設定体重の違いからか、細かい凹凸での突き上げ感と、スロットルオンオフでのハンドリングの変化が少なく、確かに疲れないのだけれど、という戸惑いがあったことも確かだ。それと、4万Kmも走るとサスペンションもだいぶくたびれて来ているはず、というきもちもあった。
DATZ所沢店にバイクを預けてほぼ10日『純さんできましたよ!』との連絡をもらって、その時点ではまだ半信半疑で受け取りに出かけていった。サスペンションは、もし純正と異なるものを使用する場合、そのセッティングがとても重要で、それを間違うとそのコストパフォーマンスに合った効果が得られなくなることがある。だが、今回は私がバイクを受け取ってからセッティングをする必要もなく、私のR1200GSのサスペンションに装備されているESAシステムもそのまま使える。そして、走り出してすぐ感じたのが、私が一つのポイントだと思っていた、小さいけれど鋭い凸凹を驚くほど滑らかに吸収してくれることだった。私のオーダーの中には、純正サスペンションよりソフトにして欲しいとは、一言も書かなかった。私が気になっていたのは、それほど大きな凸凹ではないのに、カツンという突き上げが嫌だったことと、オフロードでスロットルを開けてから凸凹に入らないと、いとも簡単にサスペンションストロークを使い切ってしまうところだった。
その一つである、突き上げ感は驚くほど見事に修正されていて、それのおかげで前後のサスペンションが必要なだけ動くことで、スロットルオフで自然なフロントの沈み込みのおかげで、これまで以上に曲がっていき、スロットルを開けると、リヤタイヤにグッと荷重が掛かり、路面をしっかりと捉えると同時に、純正サスペンションよりグイグイ曲がっていく感触が伝わってくる。おそらく、これを読んでいる方は、高い買い物だからお世辞を言っていると思う方も多いかもしれない。だが、これだけ高いものが走り出したとたんに、『おおーっ、山田が言っていたのはこのことか』と、楽しさだけでなく、安全性に対する余裕が生まれる、大きなプラスアルファを実感していただけるはずだ。
———————————————————————————————————————————————————————
筆者紹介
◦山田 純
◦BMW Motorrad Club Japan スパーバイザー
◦BMW Motorrad Rider Training 公認インストラクター
◦1950年大阪生まれ。21歳で単身渡米し、一年間AMA全米ロードレースに参戦。帰国後、全日本ロードレースに参戦する。その後、バイク雑誌の編集長を経て、フリーランスのモーターサイクルジャーナリストとして、二輪専門誌やTVなどで活躍中。
———————————————————————————————————————————————————————


